- 「暗号解読 (上)」 サイモン・シン (新潮文庫)
- 「暗号解読 (下)」 サイモン・シン (新潮文庫)
- 「美学 vs 実利」 西田宗千佳 (講談社)
- 「おまけの小林クン (1)~(16)」 森生まさみ (花とゆめコミックス)
- 「チーズスイートホーム (1)~(3)」 こなみかなた (講談社)
「暗号解読」は暗号の発展史を一般向けに解説したもの。
フェルマーの最終定理を書いたサイモン・シン氏による書で、非常に分かりやすく暗号の仕組みと解読方法、またその発展の歴史を人間ドラマを交えて解説している。
近年まで暗号は専ら政府や軍によって利用されていたが、インターネットが普及しビジネス・生活上のインフラとなったことに伴い、今日では一般人も暗号を使わざるを得ない状況になっている。純粋に読み物としても面白いが、コンピュータリテラシ向上のためぜひ読んで欲しい一冊。
「美学 vs 実利」は、ゲーム業界の地図を一変させた PlayStation シリーズの開発史。特に、開発に当たって主要な役割を果たした久夛良木健氏に焦点を当て、アーキテクチャの策定から技術者のマネジメント、開発時の困難とその克服、本社と社内ベンチャー的な立場にあった当時の SCE との葛藤、PlayStation, PlayStation 2 の成功と PSBB, PSX, PlayStation 3 の挫折とその背景を、関係者への取材を通して丁寧に浮かび上がらせている。
ゲームのハードウェアの話がメインだが、著者が丁寧に説明しているので、おそらく専門外の人間でも問題なく読める内容。久夛良木さんの個性と、その周りに集まった技術者群像が強い印象を残す。
ただ、ソフトウェア屋の端くれとしては SCE の設計思想はプログラマ泣かせだと思う。また PlayStation 2 後期のように、ゲーム開発の規模が大きくなると同時に売れるソフトと売れないソフトの二極化が進んだ環境下では、圧倒的な性能を実現するよりも
- 開発・運用環境を充実させる (Microsoft)
- 開発の規模を抑えつつ、ユーザ層を広げる (任天堂)
といった戦略に分があるのは明らかだが、それを次世代機の開発を始める数年前に見通して決断しろといわれたら難しいよなぁ。ましてハードウェアテクノロジーオリエンティッドで成功体験がある組織だと。
「チーズスイートホーム」は借り物なので、私が普段読んでいるジャンルとはちょっと毛色が違う。猫にまつわる日常の他愛無い話。主人公の猫、1コマ1コマの絵としては別に「ふつー」の猫の絵だけど、話を通してみると妙にかわいく見えるのは何なんだろうね?
ラベル: 読書記録